かまがや取材日記 ミニ展示・災害と流行病の歴史と民俗in鎌ケ谷 令和5年7月26日
更新日:2023年8月14日
関東大震災や天然痘など
多くの資料が並べられた展示室
鎌ケ谷市郷土資料館では「第27回ミニ展示・災害と流行病の歴史と民俗in鎌ケ谷」が開催中です。
日本列島に住む我々は、常に地震、豪雨などの災害に見舞われています。新型コロナウイルス感染症もまだ終息していません。この展示は、関東大震災から100年という節目の今年、江戸末期から現代にかけ鎌ケ谷市が経験した自然災害と流行病を振り返り、教訓を学んでもらおうと企画されました。
展示は「災害(関東大震災、風水害、火災)」と「流行病(天然痘やスペイン風邪の記録、病院設立や薬の服用、神仏への祈願など)」のコーナーに分かれ、写真、地図、公文書、日記などが並べられています。いずれの資料からも、災害や流行病の惨状と、懸命に対処しようとする当時の人々の様子が読み取れます。
また、現代との相違点や類似点を見つけることもできて興味深いです。例えば、関東大震災の展示品の絵葉書です。幸い、鎌ケ谷市域は大きな被害は出ませんでしたが、現在の東京都内には壊滅的被害を受けた地域があったのはご承知の通りです。当時はその都内の惨状を写した写真を使った絵葉書が作られていました。災害現場の写真を絵葉書にする発想は、今ではちょっと考えづらいのですが、インターネットもテレビもなくカメラも普及していなかった100年前ならではのことでしょう。
展示品の中から類似点も見つけました。その一つが明治初期の種痘証明書です。当時、鎌ケ谷では天然痘が流行し、子どもを中心に多くの人が亡くなりました。天然痘予防のため種痘が行われ、種痘済みの人には証明書が発行されました。現在も新型コロナのワクチンを打つと接種証明書が出ますね。
また、神仏への祈願は今も昔も変わらないようです。以前、粟野地区や佐津間地区では疫病除けの神様として茨城県稲敷市の大杉神社を信仰し、大杉神社へ参拝する大杉講があったとの説明がありました。新型コロナが流行した当初、疫病封じの妖怪「アマビエ」が注目されたのも記憶に新しい所です。
たくさんの資料が展示されていますので、じっくり見れば、いろいろな発見ができると思います。展示は10月1日まで行われますので、郷土資料館へお出かけください。
関東大震災の絵葉書
種痘済みの証明書
神仏への祈願関連の展示コーナー
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