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かまがや取材日記 市民まつり 令和5年10月14日

更新日:2023年10月18日

相馬野馬追の騎馬武者行列

 第49回鎌ケ谷市民まつりが10月14日、晴れ渡った秋空の下で開催されました。台風や新型コロナ感染症のために中止が続いていましたが、5年ぶりの開催とあって市役所や新鎌ケ谷駅周辺の会場は大賑わい。市や自治会、地元企業などが企画・運営した手作りのまつりには、市内外から約8万5000人もの人が訪れました。
 各会場では、市内の飲食店が出店する「KAMA-1グランプリ」、音楽やダンスのステージ、ミニ電車(ドクターイエロー)乗車など、子どもから大人までが楽しめるイベントが用意され、あちこちで順番待ちの行列も見られました。
 イベントの目玉は、相馬野馬追の騎馬武者行列です。甲冑をまとった武者を乗せた12騎が貝柄山公園から新鎌ケ谷駅南口交通広場近くまでの1.5キロメートルを練り歩きました。旗指物を風になびかせ、「パカ、パカ、パカ…」と蹄鉄の音を響かせながら颯爽と歩く騎馬武者の一団は戦国絵巻を彷彿とさせます。
 市民まつりと相馬野馬追を結ぶキーワードは「馬」と「小金原」です。
 相馬野馬追は、福島県の相馬地方に伝わる神事・祭りで国の重要無形民俗文化財に指定されています。約400騎の騎馬武者が街中を行進したり、御神旗を奪い合ったりする勇壮な行事です。相馬地方を治めた相馬氏の遠祖とされる平将門が平安時代中期、現在の鎌ケ谷市を含む下総国(しもうさのくに)小金原で、野馬を敵兵に見立てて軍事演習を行ったことに始まると言い伝えられています。
 また、鎌ケ谷市内には江戸時代に幕府の馬牧場が設けられ、現在も国史跡の「下総小金中野牧跡」が残っています。そこで、市民まつり実行委員会は、「馬」と「小金原」という共通点を持つ相馬野馬追に騎馬武者行列をお願いし、第39回市民まつり(平成25年)から毎回出演してもらっています。今では、市民まつりを盛り上げるメインイベントになっています。
 市民まつり実行委員会では騎馬武者行列をお願いする際、その2年前に発生した東日本大震災の復興支援にもつながるのではと考えたそうです。「馬」「小金原」とともに「東日本大震災」も縁になっていたのですね。
 そういえば、市民まつりの会場には、ほかにも東日本大震災に関連するものがありました。フリーバザールが開かれた新鎌ケ谷駅南口交通広場には今年5月、津波や塩害にも負けず開花した宮城県石巻市の「ど根性ひまわり」の種がまかれ夏に花を咲かせました。
 千葉県内のご当地キャラクターのショーが行われた市総合福祉保健センター横の新鎌ケ谷二丁目公園では「陸前高田の松」が育っています。大津波に襲われた岩手県陸前高田市の海岸の黒松の種子から育てられた苗木が平成30年に植えられたものです。
 賑やかな市民まつりの会場を歩きながら、ふと12年前の大災害を思い出しました。

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