かまがや取材日記 企画展「鎌ケ谷の小学校150年史」 令和6年4月9日
更新日:2024年4月9日
9 小学校の歩み
約180点の資料が展示
鎌ケ谷市郷土資料館で、企画展「鎌ケ谷の小学校150年史」が開催中です。
明治6年(1873年)に市域初の小学校、鎌ケ谷小学校が開校して150年が経過したのを機に、明治・大正・昭和・平成の市域の小学校の歩みをたどろうという企画です。
展示物は写真と教科書や卒業証書、通知表、小学校沿革誌、学校通信などの歴史資料、机や椅子、授業の開始・終了を知らせる振り鐘などの現物の約180点です。これらは時代順に、1明治期の小学校(「学制」と市域小学校の誕生)2明治中・後期の小学校(「教育令」「小学校令」と3尋常小学校)3大正から昭和初期の小学校(鎌ケ谷尋常・高等小学校の成立と「学校問題」)4太平洋戦争のころの小学校(国民学校の時代)5昭和中・後期以降の小学校(「六三三四制」の時代)の5テーマに分けて展示されています。
明治期の展示資料からは、市域で次々と小学校が開校するものの合併や廃校が繰り返されたことがわかります。これは明治新政府が安定的な義務教育制度を確立できず、様々な方策で試行錯誤したためです。現在の東部小学校、南部小学校、北部小学校の前身となる3尋常小学校に落ち着いたのは明治中期でした。
その後、しばらくは3尋常小学校の時代が続きますが、大正時代に合併し、鎌ケ谷尋常・高等小学校が誕生し、他校は分校となりました。鎌ケ谷尋常・高等小学校は太平洋戦争開戦の昭和16年(1941年)に国民学校に、そして戦後の22年4月から鎌ケ谷小学校となります。この間、市域には鎌小1校が本校として存在していましたが、昭和30年代以降の高度経済成長の児童数増加に伴い、まず旧分校が独立し、続いて西部小学校、中部小学校、初富小学校、道野辺小学校、五本松小学校が新設され、現在の9小学校体制となります。開校時に校舎建設が間に合わず、そのため急造したプレハブ校舎の写真パネルも展示されています。
クラス全員が写った集合写真もたくさんあり、それぞれ時代の特徴がわかります。昭和初期以前は着物姿ですが大正、昭和と時代を下るにつれ洋服姿が増えてきます。太平洋戦争時はみな硬く暗い表情ですが、戦後は笑顔が戻り柔らかくなります。昭和46年(1971年)の北部小の運動会を撮った写真には驚かされました。雨の中で競技が行われ、観客は傘をさしています。現在で雨天強行は考えづらいのですが、時代を感じます。
一つ気づいたことがあります。展示資料に「いじめ」に関する記述が見当たらないことです。昔の小学校でも「いじめ」はあったと思われるのですが、現在のように社会問題化するほどではなかったのでしょうか。この点も時代の違いを感じました。
展示は5月26日まで開催しています。お出かけください。
昭和30年代から40年代の机と椅子
昭和10年から20年ごろの教科書や参考書など
各時代の集合写真
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