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ありのみ便り 令和4年9月1日号

更新日:2022年9月6日

外来生物

 鎌ケ谷市内の小川や公園の池で時々、ザリガニ釣りをしている子どもたちを見かけます。
 筆者も半世紀以上前、小枝にタコ糸を結びスルメを餌にザリガニ釣りに興じたものです。大物を釣り上げて喜ぶ子どもの笑顔は昔も今も変わりません。
 自然に親しむ子供たちの姿はほほえましいのですが、獲物のアメリカザリガニ、実は厄介な外来生物です。アメリカザリガニは北米原産で、1927年に養殖ウシガエルの餌として輸入されたものが逃げ出したり捨てられたりして生息域が全国に広がりました。繁殖力が強く、水草、魚類、両生類、水生昆虫など何でも食べてしまうので、生態系に悪影響を与えています。
 本来なら、外来生物法により飼育、運搬、輸入、野外への放出、譲渡などが規制される「特定外来生物」に指定されるべき生き物です。しかし、家庭や学校などでは約540万匹のアメリカザリガニが飼われているとの推計もあり、飼育を禁止すると多くが放流され一層悪影響が出てしまう恐れがあるため未指定でした。
 そこで今年5月、アメリカザリガニとアカミミガメ(ミドリガメ)の飼育を例外的に認める規定を盛り込んだ改正外来生物法が成立しました。これにより、アメリカザリガニが特定外来生物に指定されてもこれまで通り飼育が可能となる方向です。
 アカミミガメも市内の川や公園の池でよく見かけます。この生き物も北米原産で、1950年代後半から子ガメがペットとして輸入されました。その後、野外に放されて全国に拡散し、在来のカメと競合するなど生態系に影響を及ぼしています。こちらも約160万匹が飼育されているとみられ、アメリカザリガニと同様の理由から特定外来生物に指定されていません。
 市内では、アメリカザリガニとアカミミガメを含め影響が懸念される外来生物は10数種類見つかっています。そのうち特定外来生物はウシガエル(両生類)、カミツキガメ(爬虫類)、セアカゴケグモ(クモ・昆虫類)、カダヤシ(魚類)、オオキンケイギク(植物)などです。
 国内で生息する外国起源の生物は約2000種といわれます。この中で、生態系を壊すもの、農林水産業に被害を及ぼすもの、人体に危険なものなどは対処しなければいけません。外来種被害予防三原則は「入れない、捨てない、拡げない」です。
 外来種のほとんどは、人間の都合で持ち込まれたものです。後の管理も人間の責任です。
                           



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