ありのみ便り 令和3年6月15日号
更新日:2021年6月16日
AI導入
先日、イギリスの新50ポンド紙幣に故アラン・チューリングの肖像が採用されるとの新聞記事を目にしました。チューリングは第二次大戦中、ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」の解読に成功した天才的数学者で、「人工知能(AI)の父」と呼ばれています。
今やAIは身近な存在になりつつあります。車の自動運転、スマートフォンの音声認識、産業用ロボットの制御など様々な分野で使われています。新型コロナウイルス関連でも、感染の予測や予防などに活用されています。
鎌ケ谷市も6月からAIを導入しました。今年は市制施行50周年の節目の年ですが、「AI元年」でもあります。
AIは、市の人間ドック等助成事業、乳幼児健康相談・幼児健康診査、妊婦・乳児一般健康診査の3業務で活用されます。具体的には、市職員が申請書の手書きデータなどをパソコンに打ち込む入力のやり方を変更し、スキャンしてAIに読み取らせ市職員が最終確認する方法にしたのです。入力に充てていた市職員の作業時間の多くを他業務に回すことが可能となりました。
昨秋、今回の3業務を含む7業務でAI実証実験を行った結果、全体で作業時間を約50%削減でき、精度も90%近いことがわかりました。そこで、今年度はまず3業務でスタートしました。AIはセキュリティーを確保するため、外部からアクセスできない地方公共団体専用ネットワーク内に置かれています。今後は状況を見て他業務でも導入を検討します。
AIが一般的に注目され始めたのは数年前、囲碁AI「アルファ碁」が世界のトップ棋士に立て続けに勝った時からではないでしょうか。創造的、戦略的思考が必要な囲碁でAIが人に勝つのは難しいとみられていたため「アルファ碁勝利」は大ニュースとなりました。以降、AIが「人に取って代わるのでは」「いずれ人を支配するのでは」などと危惧する声も聞かれます。
今後、生産年齢人口の減少などからAIの活用は一層進み、普及領域はどんどん広がっていくでしょう。でも、突き詰めればAIは人が使う「道具」です。「道具」を過度に不安視するのではなく、いかにうまく使って共生していくかを考えることが重要だと思います。
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