ありのみ便り 令和4年4月15日号
更新日:2022年4月19日
押印廃止
4月1日から、鎌ケ谷市の行政手続き約880件で押印の必要がなくなりました。
押印を求めていた市の行政手続きは約1200件ありましたので、そのうちの約7割が押印不要となりました。その範囲は市が扱う分野すべてに及び、例えば、ごみ集積所新規申請や介護保険負担限度額認定申請などがあります。市民や事業者の皆さんは、多くの行政手続きではんこを持参しなくてもよくなりました。
押印廃止は、行政手続きのデジタル化に沿った措置です。社会では今、様々な情報をオンライン上でやり取りするデジタル化が進んでいます。相手先に出向いたり書面を作成したりすることなく、スマートフォンなどで買い物や契約が可能です。行政手続きも例外ではありません。国はオンライン上で行政手続きができる社会を目指し、デジタル庁を創設しマイナンバーカードの普及に力を入れています。
市でもAI(人工知能)による手書きデータ読み取り、住民票などの交付が可能なマルチコピー機導入、新型コロナウイルスのワクチン接種予約サイト開設などデジタル化を実施しています。
デジタル化をさらに進める際の壁が、書面にはんこを押す様式でした。そこで押印廃止が決まったのです。国は法律などを改正し、既に昨秋より出生届、婚姻届、離婚届などの押印を廃止しています。これに続き、今春から市関連の行政手続きも押印廃止となりました。
ただ、これまで通り押印が必要な行政手続きも残ります。印鑑登録をした実印などが必要な登記・登録、協議書・覚書など契約書の性質を備えている書類、見積書・請求書など金銭支払いに関する書類ははんこを押さなくてはいけません。
はんこの起源は紀元前4000~3000年頃の古代メソポタミアの「円筒印章」にさかのぼるとされます。日本でもはんこは古くから使われ、最古のものは歴史教科書でお馴染みの九州北部で発見された「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」と刻まれた金印です。西暦57年に中国の漢王朝が奴国の王に授けたはんこだとみられています。701年に制定された基本法「大宝律令」では官印制度が定められ、本格的使用が始まります。以来、1300年以上に渡りはんこは日本人にとって身近な存在であり続けています。
デジタル化により押印の機会は減っていますが、はんこという日本文化が消え去ることはないでしょう。
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