気になるスポット4 平成31年4月8日
更新日:2020年4月1日
生まれ変われなかった「鉄道連隊橋脚」
アカシア児童遊園のコンクリート製橋脚
桜の花は散り始め、葉桜の季節に移り替わろうとしています。桜の木々は、淡いピンク色から鮮やかな新緑に衣替えの最中です。生命力を感じさせる葉桜もいいものです。
東道野辺6丁目のアカシア児童遊園の桜も花弁と若葉を茂らせています。その木々の横には遊び場には不釣り合いな建造物があります。コンクリート製の大きな塊が4基、でんと構えているのです。滑り台や鉄棒などの遊具と四角いコンクリートが並ぶ光景は、ちょっと異様な感じを受けます。測量用メジャーで高さを測ってみました。一番高いものは6メートル近くあり、低いものでも4.7メートル。
これらは、昭和初期に旧陸軍鉄道第二連隊が鉄道敷設訓練用に津田沼―松戸間に造った線路の橋脚部分です。児童遊園入り口付近には、「陸軍」の文字が刻まれた高さ30センチほどの石柱も残っています。
訓練用線路は戦後、新京成電鉄が新京成線として段階的に改修し、昭和30年に全線が開通しました。線路は訓練用だったため、曲がりくねったコースに敷かれていました。新京成線にカーブが多いのはこのためです。でも改修の際、あまりに曲がりくねった部分は何か所か直線に修正されました。アカシア児童遊園のある場所を通っていた部分もその一つです。
かつて訓練用線路は二和向台駅付近から松戸方面に向かって大きく西南方向に曲がり、アカシア児童遊園あたりでUターンするように北に曲がり初富駅方面に伸びていたのです。このコースは、新京成線では二和向台駅―鎌ケ谷大仏駅―初富駅間のほぼ直線にショートカットされました。アカシア児童遊園の4基の橋脚は、新京成線に「生まれ変われなかった」線路の姿なのです。
一方、戦後、新京成線に「生まれ変わった」線路も今再び「高架化」という新しい姿に脱皮しようとしています。平成13年度から千葉県、鎌ケ谷市、新京成電鉄が進めている連続立体交差事業は大詰めを迎えています。初富駅南側約800メートルから北初富駅西側付近まで約3.3キロの高架化が完了すれば、国道や県道などの踏切12か所(うち2か所除却済)がなくなり渋滞は解消され、駅前整備などにより街の活性化が期待できます。高架化は平成29年度の下り線(京成津田沼方面)に続き、「令和」の時代がスタートする今年度中に上り線(松戸方面)も実現します。
高架化区間の線路や駅舎はほぼ出来上がり、工事は最終段階に入っています。アカシア児童遊園の古びた橋脚と真新しい高架化線路。過去と現在、そして未来が共存しています。
「陸軍」の文字が刻まれた石柱
桜の木々と並んで建つ橋脚
訓練用線路は大きく曲がっていた
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