梨剪定枝のリサイクル事業 令和2年3月16日
更新日:2020年4月1日
堆肥とバイオマス発電燃料
広い集積場は梨の枝で埋まっている
3月も半ばに入り、急に春めいてきました。鎌ケ谷市内の梨畑が白く可憐な花で彩られる時期は間もなくです。
梨畑では冬の間、枝の剪定(せんてい)が行われました。剪定はおいしくて形の良い果実ができるよう養分を調整し、夏の収穫をしやすくするため、余分な枝を切り落とす作業です。市内の梨栽培面積は約177ヘクタールで、この広大な梨畑で剪定される枝は毎年約1,000トンにも上ります。
市では、梨農家などと果樹剪定枝等リサイクル事業推進協議会を組織し、剪定枝の一部を堆肥やバイオマス発電燃料として活用する事業を行っています。今、ファイターズ鎌ケ谷スタジアム近くにある広さ約4,300平方メートルの集積場には、各農家が軽トラックなどに積んだ枝を次々と運び込んでいます。うずたかく積まれた枝は今後、用途に合わせてチップに破砕されます。
チップは水分調整や攪拌(かくはん)を行うと微生物に分解され、4、5年で堆肥となります。この堆肥は、市民にバケツ1杯分(約10キログラム)が10円で販売され、家庭菜園用として人気です。堆肥の販売は平成27年から行われており、令和元年度は14.7トンが販売されました。
また、燃料用として加工したチップは、発電燃料として市原グリーン電力(市原市)に販売します。市原グリーン電力は、バイオマス(動植物から生まれた再利用可能な有機性資源)を活用した国内最大規模のバイオマス発電所です。主燃料は建築廃材の木材チップですが、平成28年からは全国で初めて梨剪定枝を燃料に取り入れました。
そこで、鎌ケ谷市では平成29年度から梨剪定枝の発電燃料への活用に取り組み始め、現在、効率的な運用についての検証を進めています。今後は、発電燃料とする割合を増やしていく方針です。
以前、梨農家は剪定枝を畑などで焼却していました。しかし、都市化の進展で住宅が梨畑近くに建てられるようになると、煙や臭いに苦情が出るようになりました。この問題の解決に向け、剪定枝を回収し堆肥や発電燃料へ活用する事業を始めたのです。
鎌ケ谷市にとって梨は重要な特産品で、梨畑は貴重な緑地です。剪定枝のリサイクルは、梨畑と住宅が「共存」する街づくりのための工夫です。
重機で枝を積み上げる
枝は4、5年で堆肥となる
まだチップの形状が残る2年目の堆肥用の枝
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